和太鼓奏者・神谷俊一郎|共演実績とコラボレーションの歩み

はじめに
和太鼓は日本の伝統文化を象徴する楽器のひとつですが、その魅力は地域の祭りの枠を飛び出し、舞台芸術、ポップス、クラシック、現代アートにまで広がっています。
私は和太鼓奏者として、国内外で1000本を超える劇場公演に立ち、多様なアーティストとの共演を通じて「和太鼓が持つ新しい可能性」を追求してきました。
ここでは、これまでの共演実績をエピソードを交えながらご紹介します。愛知県を拠点に全国・世界で活動する和太鼓奏者として、共演や演出をお考えの方にとって参考になれば幸いです。

主な共演実績とエピソード
2014年 歌舞伎俳優・坂東玉三郎氏、指揮者・下野竜也氏との共演(太鼓芸能集団 鼓童)
「鼓童」在籍中に経験した坂東玉三郎氏の演出作品は、和太鼓の表現を芸術の極みに引き上げるものでした。
玉三郎氏の細やかな所作指導、下野竜也氏によるオーケストラとの融合。サントリーホールの舞台に立ちながら、和太鼓が伝統芸能を超えて「総合芸術」として輝く瞬間に立ち会うことができました。


2017年 歌手AI氏 全国ツアー「和と洋」
AIさんの全国ツアーでは、和太鼓・篠笛奏者として参加しました。
ポップスと和楽器を融合させる挑戦で、観客の皆さんがリズムに合わせて体を揺らす光景はいまも忘れられません。AIさんをはじめ、バックバンドの方々からも「太鼓の音を聞くと気持ちが高揚する」「ドラムバトルが最高に楽しかった」と声をかけていただき、大きな励みとなりました。

2019年 山本祐ノ介氏・ミャンマー国立交響楽団との共演
クラシックホールでの和太鼓演奏は、伝統的な太鼓祭りとはまた違う緊張感に包まれます。
オーケストラの緻密な響きの中に太鼓の力強さをどう溶け込ませるか。山本祐ノ介氏の指揮に導かれ、和太鼓の「重低音」がホール全体を包み込んだ瞬間、国境を越える音楽の力を実感しました。
この時の演奏は、和楽器奏者4名、国営オーケストラ約30名、ミャンマーの民族楽器奏者4名という編成。客席にはアウンサンスーチー氏も来場され、非常に特別な舞台となりました。

2020年 SPAC朗読劇『かしわばやしの夜』
演劇とのコラボレーションは、音楽とは違う呼吸が必要です。
朗読の静けさに寄り添いながら、和太鼓の「一打」が物語に命を吹き込む。俳優の息遣いに合わせて間合いを調整する作業は、和太鼓を「音楽」ではなく「演劇の登場人物」として扱う貴重な経験でした。
SPACは静岡県が所有する劇団で、パーカッションと演劇を融合させた演出で知られています。演出家・宮城聡氏は世界各地の演劇祭で受賞歴を持ち、勲章も授与された世界的演出家です。その舞台で和太鼓を担えたことは大きな財産です。

2023年 歌舞伎座公演「マハーバーラタ戦記」
尾上菊之助氏(現 菊五郎氏)主演、宮城總氏演出の舞台にSPAC音楽隊の一員として出演しました。
歌舞伎座の舞台に1ヶ月立ち、伝統芸能の世界で和太鼓を響かせる。その場に立つだけで背筋が伸びるような緊張感でしたが、菊之助氏の所作と太鼓の音が重なった瞬間、会場全体が静まり返り、音楽と芝居の一体感を肌で感じました。音楽監督は棚川寛子氏。

2024年 日本舞踊西川流「名古屋をどりNEO」
名古屋の伝統文化を現代にアップデートする挑戦に参加しました。
日本舞踊西川流の舞踊と和太鼓の呼応は、地域の文化を未来につなぐ試みそのもの。物語のクライマックスで演奏を任せていただきましたが、「強烈な印象が残った」という声を多くいただき、愛知の地で活動する意義を改めて感じました。演出の西川千雅家元に素晴らしい場面で活用いただけたことは、大変光栄でした。

2025年 IGアリーナオープニングセレモニー(滝沢秀明氏演出)
数万人規模の観客が集まる新アリーナのオープニングに出演しました。
滝沢秀明氏の演出は、スケールと緻密さが共存するもので、その中で和太鼓は「会場を揺らすシンボル」として位置づけられました。演奏後に響き渡った歓声と会場の震動は、和太鼓の可能性を改めて実感させてくれる瞬間でした。

ジャンルを超えた共演の魅力
ジャンル | 共演例(敬称略) | エピソード |
---|---|---|
歌舞伎 | 坂東玉三郎、尾上菊之助 | 伝統芸能と和太鼓の融合。舞台全体が静まる瞬間を体感 |
J-POP | AI 全国ツアー | 太鼓の響きで観客の体が自然と動き出す |
クラシック | 山本祐ノ介×交響楽団 | 和太鼓の低音がホール全体を包み込み、国境を超えた響きを実感 |
演劇 | SPAC朗読劇 | 一打が物語の呼吸と一体化、音が「登場人物」となる |
日本舞踊 | 名古屋をどりNEO 西川流 | 舞踊との呼応で地域文化を次世代へつなぐ |
大型演出 | 滝沢秀明演出 | 数万人規模の会場を揺らすシンボルとして和太鼓が機能 |
和太鼓の可能性を共に創るために
これまでの経験を通して実感しているのは、和太鼓はどんなジャンルとも「対話」ができる楽器だということです。
ただし、やみくもに音を出してしまうと全てを飲み込んでしまう凶暴性も兼ね備えています。演奏者の技量ひとつで、雪が降る情景、雷が落ちる瞬間、波が寄せてくる緊張感など、さまざまな風景を連想させることができます。
歌舞伎などの古典音楽では自然現象を表現する場面が多くありましたが、現代の太鼓音楽では音程を測り、西洋楽器とのコラボレーションも可能になりました。
愛知を拠点に、全国・海外での演奏依頼やコラボレーションも承っています。
- 舞台作品での演奏依頼
- 音楽ライブでのコラボレーション
- レコーディング など
和太鼓の力を新しい表現に活かしたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
👉 お問い合わせはこちら(https://www.shun-matoinokai.com/)
まとめ
和太鼓は「伝統」と「革新」の両面を持ち、舞台芸術からポップカルチャーまで幅広く活躍できる存在です。
これまでの共演は、その可能性を示す歩みであり、今後も信頼いただけるよう、精進してまいります。
神谷俊一郎(和太鼓奏者/演出家/プロデューサー)
愛知県安城市出身の和太鼓奏者。幼少期より地域の祭りで太鼓に親しみ、和太鼓ユニット光で修行を積んだ後、「DRUM TAO」を経て、新潟県佐渡島を拠点とする「太鼓芸能集団 鼓童」に所属。日本国内はもとより、アメリカ、ブラジル、フランス、中国など世界各国で累計1,000本を超える公演に出演してきました。
歌舞伎俳優・坂東玉三郎氏、尾上菊之助氏、歌手AI氏、指揮者・下野竜也氏など、ジャンルを超えた第一線のアーティストと共演。歌舞伎座やサントリーホール、Boston Symphony Hallなど国内外の主要劇場での舞台経験を持ちます。
現在は、和太鼓・篠笛を中心にした演奏活動だけでなく、作曲・演出・楽曲提供・教育機関向けワークショップ・企業研修など幅広い活動を展開。さらに「まといの会」を主宰し、地域文化と次世代育成にも力を注いでいます。
その活動の根底にあるのは「和太鼓の可能性を広げ、伝統と革新をつなぐ」という思い。伝統芸能から現代アートまで、和太鼓の新しい地平を切り拓き続けています。
全ての情報はこちらから→https://pont.co/u/shunkamiya

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